マイクロ法人とは、一般に代表者ひとり(またはごく少人数)で運営する小規模な法人を指す通称です。個人事業を続けながら、別の事業を法人で行う「個人事業+法人の併用」という形で活用されることがあります。
うまく設計すると、社会保険料や税負担の面で選択肢が広がる場合があります。ただし、誰にでも向いているわけではありません。この記事では、仕組みと注意点を整理します。
マイクロ法人の主なメリット
個人事業とマイクロ法人をうまく併用できると、主に次の3つのメリットが期待できます。
- 社会保険料を抑えられる:法人から受け取る役員報酬を基準に社会保険料が決まるため、設計しだいで負担を適正な水準に抑えられる場合があります。
- 所得の分散が図れる:個人と法人に所得を分けることで、税率の高い部分に所得が集中するのを避けられます。
- 節税の選択肢が広がる:個人と法人の両方を持つことで、経費・共済・退職金など、個人だけでは使えなかった打ち手が視野に入ります。
当事務所は、この個人+法人の併用設計を得意分野のひとつとしています。実態のある事業を前提に、シミュレーションから設立後の運営まで一貫してサポートします。
どんなときに検討する価値があるか
- 個人事業の所得が一定以上あり、社会保険料の負担が重く感じている
- 事業内容が複数あり、性質の異なる事業を分けて運営したい
- 将来の法人化を見据えて、小さく始めたい
一方で、実態のある事業があることが大前提です。節税だけを目的に、実体のない法人をつくることはおすすめしません。税務上も、事業の実態が問われます。
併用のイメージ
たとえば、これまで個人事業で行っていた業務のうち、性質の異なる一部を法人で担う形にすると、取引の幅が広がり、結果として全体の手取りが改善するケースがあります。実際にBLOOMでも、個人とマイクロ法人の併用により取引の幅を広げ、年間の手取りが改善した実例があります(金額はケースにより異なります)。
法人格を持つことで「法人としか取引しない」企業との契約が可能になるなど、節税以外のメリットが生まれることもあります。
見落とされがちなコスト
法人には、赤字でもかかる住民税の均等割(年約7万円〜)、社会保険の加入義務、記帳・決算・申告の手間といった維持コストがあります。メリットがこれらのコストを上回るかを、事前に試算することが大切です。
「マイクロ法人=必ず得」ではありません。所得の構成・事業の性質・将来計画によって、向き不向きがはっきり分かれます。つくってから後悔しないよう、必ず事前の試算をおすすめします。役員報酬の設計については「役員報酬の決め方」を、併用ではなく事業ごと法人化する「法人成り」については「法人成りと社会保険料の本当のところ」もご覧ください。
よくあるご質問
Q.マイクロ法人をつくると、なぜ社会保険料を抑えられるのですか?
社会保険料は、法人から受け取る役員報酬を基準に決まるためです。報酬の設計しだいで、国民健康保険・国民年金の負担が重い個人事業主の方ほど、負担を大きく抑えられるケースがあります。実際にどれくらい変わるかは、所得や事業の構成により異なりますので、シミュレーションで試算します。
Q.節税の面では、どんなメリットがありますか?
個人と法人に所得を分散することで、税率の高い部分に所得が集中するのを避けられます。さらに、法人ならではの経費・共済・退職金といった打ち手も使えるようになり、個人だけの場合と比べて節税の選択肢が大きく広がります。
Q.自分の場合もメリットが出るか知りたいです。
事業内容・所得の構成・ご家族の状況によって効果は変わります。当事務所はマイクロ法人の設計を得意としており、実態のある事業を前提に「いくら変わるか」をシミュレーションで確認してからご判断いただけます。初回のご相談は無料です。