「経理はまるごと任せたい。でも、事務所が遠い」——そう思って手が止まっている方は少なくないと思います。先にお伝えすると、距離を理由にあきらめる必要はありません。当事務所でも、東京や地方のお客様に対応しています。ただ、「具体的にどう回るのか」が見えないままでは不安だと思いますので、契約から決算までの1年を、実際の流れに沿って書いてみます。
遠方でも成り立つのは、送るものが少ないからです
丸投げというと「段ボールで書類を送るのだろうか」と思われるかもしれません。実際にお送りいただくのは、領収書とレシートだけです。
理由は単純で、お金の動きの大半は、送っていただかなくても分かるからです。通帳とクレジットカードは会計ソフトと連携すれば、こちらで明細を確認できます。売上の請求書もデータでいただけます。結果として、郵便でやり取りするものは驚くほど少なくなります。
「丸投げでどこまで任せられるのか」そのものについては「税理士に丸投げって、どこまでできる?」で書いていますので、あわせてご覧ください。この記事では「遠いけれど大丈夫か」という一点に絞ってお話しします。
領収書は郵送で。決算が終わったら、まとめてお返しします
領収書は、封筒や箱に入れてお送りいただければ十分です。整理してから送っていただく必要はありません。量や状況に応じて、投げ込み式のボックスなど、ご負担が最小になる貯め方をこちらからご提案します。
そして大切な点として、決算・申告が終わりましたら、お預かりした領収書はまとめてご返送します。帳簿や書類の保存義務は納税者ご本人にあるため、お返しするのが本来の形だからです。保存期間は法人の場合、原則7年(青色申告で欠損金が生じた事業年度は10年)とされています。
なお、紙で受け取った領収書は、スキャナで読み取る必要はありません。スキャナ保存はあくまで任意の制度で、紙のまま保存して差し支えありません。「スキャンしてデータ化しないといけないのでは」と身構える必要はないということです。
お送りいただく頻度は、数か月に一度を目安にしています。年に一度まとめてでも対応はできますが、期中に少しずつお預かりできると、利益の見通しが早く立ちます。すると決算前に打てる手が増えます。詳しくは「利益が出た年の節税」をご覧ください。
通帳とクレジットカードは、送らなくて大丈夫です
ここが、遠方でも丸投げが成り立ついちばんの理由かもしれません。通帳のコピーを取って郵送する、という手間はありません。
freeeやマネーフォワードなどの会計ソフトと口座・カードを連携していただければ、入出金の明細はこちらで確認できます。連携の設定は、こちらから手順をご案内しながら進めますので、ご自身で会計ソフトを操作していただく必要はありません。最初の一度だけ、一緒に設定させていただくイメージです。
ネットで受け取った領収書は、印刷しないでください
これは意外と知られていないのですが、大切な点です。
通販サイトやクラウドサービスからメールやウェブサイトで受け取った領収書・請求書は、電子データのまま保存する必要があります。令和6年(2024年)1月からは、これを印刷して紙で保存する方法は認められていません。
つまり、ネットで受け取ったものは、わざわざ印刷して郵送していただかなくてよいということです。むしろ印刷してしまうと保存の要件を満たさなくなります。データのままお預かりする方法をご案内しますので、迷ったらそのままにしておいてください。
紙で受け取ったものは紙のまま、データで受け取ったものはデータのまま。受け取った形のまま残しておく、と覚えていただければ大丈夫です。
1年の流れ
実際にご契約いただいた後、1年がどう進むかをまとめました。
| 時期 | お客様 | 当事務所 |
|---|---|---|
| ご契約時 | オンラインで面談。口座・カード連携の設定を一緒に | 連携の手順をご案内。資料の貯め方をご提案 |
| 期中 (数か月ごと) | 領収書を封筒で郵送 | 記帳・整理。気になる点はその都度ご連絡 |
| 期中の面談 (2〜3か月に1回) | オンラインで参加 | 画面を共有しながら数字をご説明 |
| 決算3か月前 | ご提案を聞いて判断 | 利益と納税額を試算し、打てる手をご提案 |
| 決算・申告 | 内容をご確認いただく | 決算書・申告書を作成し、電子申告 |
| 申告後 | 領収書を受け取って保管 | お預かりした領収書をまとめてご返送 |
ご覧のとおり、お客様にしていただくのは「封筒を送る」ことと「面談に出る」ことだけです。この形なら、事務所が近くても遠くても、進み方はほとんど変わりません。
顔を合わせないぶん、話が減るわけではありません
オンラインだと関係が薄くなるのでは、と心配される方もいらっしゃいます。実際には、逆のことが起きやすいと感じています。
移動の時間が要らないぶん、「ちょっと聞きたい」に応えやすくなるからです。メールやLINEでの短いやり取りも含めれば、接点はむしろ増えます。「この支出は経費になりますか」といった質問は、事前にいつでもお尋ねいただければお答えします。決算のときにまとめて考えるより、その場で解決したほうがお互いに楽です。
面談も、画面を共有しながら実際の数字を見ていただけるので、紙の資料を挟むより分かりやすい場面が多くあります。
ご来所なし・面談もオンラインの「オールオンライン」でご契約いただく場合は、おまかせプランの月額顧問料を5,000円引きとしています(決算料は通常どおりです)。訪問にかかる分をそのままお返しする、という考え方です。初回のご相談は無料ですので、「まず話を聞いてみたい」という段階でかまいません。
よくあるご質問
Q.一度も直接お会いせずに契約しても大丈夫でしょうか?
はい、問題ありません。税務顧問のご契約に対面が必須という決まりはなく、ご契約から申告まですべてオンラインで完結できます。当事務所でも、東京や地方のお客様に対応しております。初回のご相談はオンラインで行いますので、話してみて相性を確かめてからご判断いただけます。その場でご契約いただく必要はありません。
Q.領収書を送ってしまうと、手元に何も残らないのが不安です。
決算・申告が終わりましたら、お預かりした領収書はまとめてご返送します。帳簿や書類の保存義務は納税者ご本人にありますので、お返しするのが本来の形です。保存期間は法人の場合、原則7年(青色申告で欠損金が生じた事業年度は10年)とされています。なお、紙で受け取った領収書はスキャナで読み取る必要はなく、紙のまま保存して差し支えありません。お預かり中に内容を確認したい場合は、こちらでお調べしてお伝えできます。
Q.パソコンが苦手なのですが、オンラインでもやっていけますか?
大丈夫です。お客様にしていただくのは、領収書を封筒に入れてお送りいただくことと、面談のときにリンクを押していただくことくらいです。通帳やクレジットカードを会計ソフトと連携する設定は、こちらから手順をご案内しながら進めます。会計ソフトをご自身で操作していただく必要はありません。